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音作衛門道楽日記 otozaemon.exblog.jp

音楽家のお遊び


by 遊楽音作衛門
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共生の未来はあるか

残酷な心について
同志社大学 良心学研究センター長 小原克博教授の話が
聖教新聞に掲載になって
ちょっと目に止まった


私は現代の対立の根底にあるのは
異質な他者をあぶり出そうとする文化装置ともいうべき
憎しみの文化だと考えています

もちろん人間も生物である以上
憎しみの感情や縄張りの意識を持つこと自体は
簡単に否定できません。
しかし同時に人間は自分が向けている憎しみが
正しい理由を持っているかのように
社会的に正当化します。
自分たちの価値観を理解できない人たちを
異質な他者としてレッテルを貼りをして、
暴力をも正当化するのです。


共生の未来はあるか_c0185356_10140380.jpg

さらに日々、紛争や殺人といったニュースが大量に降りかかって来る情報化社会の中では、
そこに痛ましさを感じられないほど私たちの感覚が麻痺し、
無関心が増大している。

あの人たちは仕方ない存在なんだと理解してしまう。

そういった中で憎しみの文化が広がると、
もはや憎しみを持たないままに他者を排除し、
無関心のまま特定の集団を攻撃する社会になっていく。

ナチスのホロコーストを生んだのと同じような構造が、
私たちの時代にも潜んでいると言えるのです。



人間は本来、憎しみの感情や縄張り意識を持っているわけですが、
他の生物と違うのは、そういう性質を持つ人間という存在自体を
対象化してみる力を持ち合わせていることです。

だとするならば、人間が生み出した憎しみの文化を克服する知恵も
見つけ出せるのではないでしょうか



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by yuurakuotozaemon | 2018-04-30 09:26 | ミニ学問 | Comments(0)